原点

私の子供達は3人共男で幼稚園の年長位からスポーツ少年団で剣道を習っていた。

歩いても近い所にその代表は住んでいてその人の勧めもあっての事だった・・・

その代表は大会や勝ち負けより精神面の育成に力を入れていて、尽く父兄に慕われていた・・・
試合に勝つことより武道に対する精神が大事と言う事を常に語っていた・・・

そんな折、町内に他の剣道教室が出来、その団体は試合に勝つことだけに重点をおいていて
毎週のように練習試合や県外の大会まで予定を入れていく・・・
確かにそこそこの成績は残していた。・・・代表の彼は先生の教え子であったのである・・・

だんだんその新しい団体は父兄から見ても華やかに見え子供達もその団体に傾いていくのが
解かった・・・

しかし、我がスポ少の代表は方針を変えなかった・・・
そして来る時がきた。団体は二分化され大半が華やかなその団体に流れて行ったのだ・・・

確かに剣道の練習は、週2回程で、小学校の体育館で夜6時頃からやっていた・・・
父兄も正座でその練習を無言で見学していた・・・
大会といえば、春と秋に町内で行われる位で物足りなさも確かにあったかも知れない。

次第に代表の先生の立場は追われていき、何時しかスポ少の存在すら無くなってしまった。

私の次男が熊谷市の武道館で行われた県北の小学生から社会人まで出場する大会で
高校男子個人の部で優勝した時、観客席の中に先生の姿があった・・・
優勝が決まった瞬間、先生と私の目が合った・・・先生と私は軽く会釈を交わした・・・

以前はその代表も、心臓にペースメーカ-を入れていた奥さんに歩調を合わせてゆっくり
散歩している姿を見たけど、連れ合いを亡くした今は散歩しなくなり顔を見ることも
稀になってしまった・・・

元気で散歩している時はメリーを可愛がってくれてよく話しかけてくれた・・・
一度、家にお邪魔してお茶をご馳走になった時、居間の長押には生前の奥さんの写真と
その横にはスポ少で剣道を教えていた当時の子供達に囲まれて写真のほぼ中央で微笑んでいる
先生がいた・・・
「あの頃はたのしかったね~!」・・・先生は何度も繰り返した・・・
そしてふすまを開けた奥の座敷の床の間に防具と竹刀が慎ましく置かれていた・・・

今朝、久しぶりに先生にお会いできた・・・今日は亡くなった奥さんの命日だそうで
これからお墓参りに行くとの事・・・幾分元気そうに見えた。

勿論勝負の世界であるから勝つ事は大事だけど、人間目先の事ばかり考えてしまう・・
「礼に始まり礼に終わる」・・・その武道の精神は忘れてはならない・・・
一般社会においても基本でありすべてに相通じるところである。

本来の姿である子供の頃の純粋で無垢な心を原点としてこれからも生きて行きたいと思った・・・







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No title

すばらしいお話です。

僕も、バレー・ボールやテニス時にはラグビーなんかの監督をしていたので、こういった姿勢を貫くことがいかに難しいのかよく分かります。

勝てないとチームのムードが悪くなる。

このままやっていてもどうもみたいな雰囲気になり、他のクラブは良いなぁとなって、モチベーションは下がりっぱなし。

そこで、手っ取り早く勝つためには体罰となるわけですな。

賛否あると思いますが、やっぱり正しいことをしていた方が最後は勝つ。そう信じたいですね。

No title

Spinachさん、仰る通りですね。

試合ですから勝たなければ意味がありません。

あ~だの、こうだのと綺麗ごと並べてみても勝つために日々
練習しているのですよね!

勿論、代表の先生は勝った子供にも負けた子供にも同じように
労いの言葉を忘れなかったですね・・・

一生懸命頑張って・・・でも負けてしまう・・・それが悔し涙ですね。

次回につながる悔し涙です・・・頑張った人だけ流せる涙です!
プロフィール

Author:BO-merry
埼玉生まれのS31年生まれ。Mixの愛犬メリーと
週末は群馬県片品村にある山小屋を拠点に自然を満喫しています。

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